“クォーツショック”より甦ったフランス唯一のマニュファクチュール
フランスとスイスにまたがるジュラ地方で盛んになった時計産業でしたが、1970年代、
クォーツ式時計の台頭によりフランスとスイスなどの時計産業は壊滅的な打撃を受け、
多くの時計メーカーが消えていきました。
しかし、この地域には現在も時計学校や時計博物館が存在し、モルトー出身の時計技術者は
国境を越えてスイスで働き、“フロンタリエ”と呼ばれ、スイスの時計産業を支えています。
このモルトーに本社を構え、フランス時計産業の栄光を再び取り戻そうとするのが、
宝飾デザイナーのエミール・ペキニエにより設立されたペキニエ マニュファクチュールです。
やがて2004年、ゼニスで「エル・プリメロ」の復活を指揮したディディエ・レイブングッドが
ペキニエ マニュファクチュールの最高経営責任者に就任。彼は祖父シャルルの代にモルトーで
時計会社を経営していた家の出身で、ペキニエ マニュファクチュールCEO就任により
マニュファクチュール(自社一貫生産メーカー)の再興を決意します。
2007年にムーブメント開発に着手し、2009年に初の試作品「EPM01」を発表。
翌2010年には「カリブル ロワイヤル」として正式発表し、“フレンチ・マニュファクチュール”
復活の名乗りを上げたのです。
モルトーに現存する
マニュファクチュールウオッチメーカーの痕跡
レイブングッド一族が営んでいた建物